今週の住宅新報 証券化・ビルニュース

京町家再生に管理信託
10年で改修費捻出
賃料一括前払い方式活用

管理信託の手法による京町家再生事業がスタートする。7月27日、京都ガーデンホテルで事業関与者による調印式を行う。

改修が必要な京町家(京都市北区紫竹牛若町・織屋建)を、きりう不動産信託(大阪市、桐生幸之介社長)に信託する。

改修資金は賃貸料の一括前払い金でまかなう。事業期間は10年。この間、オーナーに賃料収入はないが、事業期間が終了した時点で、事業当初に改修された京町家が返還される。

一括前払い賃料は660万円、年払い分は毎年12万円。これにオーナーが160万円を負担した合計金額832万円が初年度の収入となる。この中から735万円を支出して改修工事を行う。残りの97万円は事業諸経費となる。2年目からの年払い賃料12万円が、信託期間中の固定資産税や火災保険料に充てられる。

物件はフラットエージェンシー(京都市、吉田光一社長)にマスターリースされ、同社が入居者にサブリースする。スキーム全体のアレンジャーは京都府不動産コンサルティング協会(岡本秀巳理事長)が担当している。

プロジェクトの目的は、町家所有者の資金負担を軽減して、老朽化した町家を改修し存続させていくこと。今回は所有者が工事代金を一部負担したことで、事業期間を10年に短縮することができた。

一方、同日。同ホテルで、京町家証券化特定目的会社の解散決議も行われる予定。老朽化していた京町家3戸の保全・利活用を目的に06年6月に事業をスタートさせた。今年5月から6月にかけて3物件の売却(出口)が完了。10月下旬には投資者に出資金を満額返還する予定。

京都府不動産コンサルティング協会によると、事業成果としては(1)3戸の改修された町家を残せたこと(2)レストランなどのテナントが付いたまま適正価格で売却でき、買主(新たな貸主)とは今後も町家として活用していくことが約束できたこと(3)不動産証券化手法によって集めた1億5000万円の資金を5年間運用して期間中の配当年3%を実現したことなどを挙げている。

ビル企画調べ オフィス市況
都市で空室率低下
名古屋、札幌、仙台は移転増

ビルディング企画がこのほどまとめた、10年6月度の全国7都市主要エリアのオフィスビル市況(確定値)によると、調査開始以来、過去最高値の9・83%に上昇した東京主要5区をはじめ横浜、大阪、福岡で大型ビルの平均空室率の上昇が続いた。一方、札幌、仙台、名古屋では上昇を続けてきた空室率が低下に転じた。

東京5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)は前月比0・11ポイントアップの9・83%で、9カ月連続の上昇。千代田、港でまとまった面積の成約事例が多く見られ空室率が低下したものの、渋谷、中央では空室率が大幅に上昇、全体平均を押し上げた。

空室率が低下した3都市では活発な移転の動きが見られ、空室率上昇にブレーキがかかった。

0・12ポイントダウンの10・31%となった札幌は、オフィスの経費削減を重視した移転が多い中、大型移転も出てきた模様で全体的にテナント企業の動きが活発だ。 新築ビルの賃貸条件に値頃感が出てきた上、既存ビルの引き合いにも明るい兆しが見えはじめた仙台は、0・98ポイントダウンの20・98%に低下。

名古屋は、名古屋駅周辺の大型テナントの成約が相次いで空室が大きく減少した。駅周辺エリア、伏見・丸の内エリア、栄・久屋大通エリアの平均は0・41ポイントダウンの16・09%となった。

0・02ポイントアップの10・65%とわずかながら上昇が続いた大阪では、一部の大型物件で賃料緩和により空室が大幅に改善(北梅田エリア)、中型小型テナントの動きが良い(肥後橋エリア)といった傾向が見られる半面、全体的には依然厳しさが続いている。

スターツプロシード投資法人
近く東証にも上場
資産規模の拡大狙う

ジャスダック上場のスターツプロシード投資法人は7月20日、東京証券取引所より投資証券の不動産投資信託証券市場への上場承認が得られたと発表した。

上場予定日は7月27日で、東証と大阪証券取引所ジャスダックの両市場で投資口の売買が可能となる。

Jリート市場再生に向けた新たな動きが続いている中、中長期にわたって安定的な資産の運営を行っていくには、現在約420億円の資産規模の更なる拡大が必要であることから、より幅広い投資家が投資できる環境基盤を整備し、円滑な資金調達を図っていく。

同時に、将来的に投資主価値の向上に資する投資法人の合併・再編の案件に前向きに対応していく必要があるとし、同投資法人が東証に上場していないことが不利に働く可能性があることも考慮したとしている。

同投資法人は05(平成17)年11月の上場時に(1)スポンサーであるスターツコーポレーションと同一市場(2)他のリート銘柄に比べて総資産が約80億円と小規模で相対的優位性に欠ける懸念があった(3)個人投資家が投資しやすい20万円の公募価格で上場することで戦略的な差別化を図る(4)ジャスダック初のリート銘柄として存在感が期待できたことなどを理由にジャスダック上場を決めた。上場後は3回の公募増資を実施し、運用資産規模の拡大・安定した収益の確保を図ってきた。資産運用会社はスターツアセットマネジメント投信。