読者コラム(2010. 2. 26号)

キャンペーン攻勢で集客という記事を読んで

企業が商品をセールスする一つの武器として、キャンペーンなどのインセンティブを使うことがしばしばあります。

不動産を売却する或いは賃貸するという中にも、セールスインセンティブはありますが、他の商品に比べて、インセンティブが少ないような気がしますし、大手の不動産業者ほど大きなインセンティブが実行できることになります。

今回の記事では、
アパマンショップの【ノートPCプレゼント】【地デジ対応部屋紹介キャンペーン】
レオパレス21の【グアム旅行プレゼントキャンペーン】
大東建託の【紹介料キャンペーン】【グルメ券プレゼントキャンペーン】
東建コーポレーションの【総額1,000万円分のプレゼントキャンペーン】
というインセンティブが紹介されていました。

大手不動産は、莫大な資本力を背景に強力なインセンティブを実行することができますが、私のような中小の不動産業者はどのように大手と差別化したインセンティブを発明・実行できるのかを常日頃考えています。

私が、いろいろな広告やチラシを見ながらインセンティブを研究するなかで、インセンティブは大きく分けて4つになることを発見しました。
それが下記の4つです。

【セット】【割引】【限定】【ユーザーレヴュー】

ほとんどのインセンティブはこの4つで構成されております。

まず、不動産の賃貸仲介に適用しますと、
家賃割引、仲介手数料割引、長期入居割引、年割り一括払い割引、シルバー割引、紹介割引等、
いろいろな【割引】があります。

次に、この割引を適用する際に、家賃割引は3月末までの【限定】とすることで、より割引インセンティブを引き立たせる事ができます。

さらに、3月末までにご成約の場合は、家電製品を【セット】でプレゼントなどとくれば、より強力なインセンティブとなりお客様の集客力も断然違ってきます。

最後に、既存のお客様からの喜びの声【ユーザーレヴュー】で完成です。

このように、いろいろなインセンティブを駆使すれば巨大資本の大手にも十分に対抗できるようなアイデアが生まれる可能性があります。

私が、最近考えたインセンティブとして、
【売買価格限定値下げ割引】【家賃分割払い割引】
というものがあります。

この2つの割引は最近の高知の不況にあえぐ不動産事情を考慮しての割引です。

近年の高知の不動産は、強烈な地価デフレにあえいでいます。
毎年、何%の下落が状態化しておりますし、ひどい所では何十%の下落する場所もあります。
このような状況では、売主と買主の売却希望価格と購入希望価格が著しく乖離することになり契約が非常に成立しづらくなります。
また、買主も買い急ぎをすることがなく、購入のタイミングも後へ後へとずれてくることが契約の不成立を助長することになっています。

このような状況では、売却希望価格を下げることは必然となりますが、まだ下がるのではないかと期待する買主に対してただの割引では、インパクトはありません。

そこで、期間限定で割引をしてその期間が過ぎると元の値段になるようにすると買主もその期間の間に購入しようという気持ちになる可能性があります。

さらに、もう一つ憂慮する事態が家賃の滞納が増加していることです。
リーマンショック以降、高知でもリストラが増加し、求人数も減少しまして思わぬ収入の減少に家賃が払えなくなった借主が増加しています。

このような場合に、退去をしてもらうことが普通の対処法ではありますが、リーマンショックのような予測ができない不況により家賃が滞納になった場合は、退去させるという方向よりもできるだけ入居を継続してもらうという方向で考えるべきだと思います。

その中で、滞納をしている分は分割で何ヶ月、何年に分けて払ってもらうようにするという方法も円滑な不動産流通をしていく中で重要なことです。

モノが売れないこの時代に、売れるようにする為にはその時代に合わせたインセンティブを創造していくことが必要不可欠であると思います。


徳弘雅志

徳弘雅志

 大学卒業後、福井工務店で大工の修行を積み、2004年父親の経営する四国ハウジングに就職する。四国ハウジングに勤める中、宅地建物取引主任者、ファイナンシャルプランナーを取得し2007年FPを持つ友人と供に、M&YFPオフィスを設立する。
現在、空きマンション等を所有するオーナー様の苦悩を解決するための空室改善コンサルティング事業を展開中。(有)四国ハウジング専務取締役、M&YFPオフィス代表として活躍中。